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鉄黒漆塗亀甲鉄繋畳胴具足

更新日:2022年11月12日

【明珍宗親 作】

【江戸時代中後期】



日比谷家伝来のこの甲冑は明珍宗親(みょうちんむねちか)の作である。宗親は江戸時代中~後期の甲冑師と考えられ、今治藩主の豪華な甲冑なども製作している。本品は作域の優れた大名家藩主級の甲冑で、兜と籠手櫃(こてひつ)には「下り藤に十字」紋が付いている。


日比谷家にこの家紋の型紙など制作時に使用されたものが残っているため、同家で発注された可能性が高いと思われる。ただし、日比谷家の家紋は一般に丸に違い鷹の羽であり、この家紋を用いた記録は他にはなく替紋なのか他の事情なのか謎である。


胴は亀甲形の鉄板を鎖で繋いであり、平たく畳めて携帯に便利な畳胴(たたみどう)である。草摺(くさずり)は、鉄板物七間五段下がりを紺糸素懸威(すがけおどし)としている。

兜は鉄錆地桃形(てつさびじももなり)で腰巻部分に「明珍紀宗親作」の銘があり、面頬(めんぽう)にも同じ銘がある。




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