【わどくたいやくじりん ~かつかいしゅうのさんじ~】
【明治10年5月付】
健次郎が出版した日本初の和独辞書「和獨對譯字林」には、勝海舟が自筆で賛辞を寄せている。
勝海舟は元幕臣で、明治以降も重鎮として官民の間で人気があった。
左開きの本書に合わせて、左ページから右ページに縦書きで記されており、本書が学習に資すると賛辞を呈している。
署名は「海舟勝安芳」
幼名および通称は麟太郎(りんたろう)。諱(いみな)は義邦(よしくに)。明治維新後は安芳(やすよし)と改名。これは幕末に武家官位である「安房守」を名乗ったことから勝 安房(かつ あわ)として知られていたため、維新後は「安房」を避けて同音(あん−ほう)の「安芳」に代えたもの。勝本人は「アホゥ」とも読めると言っている。海舟は号で、佐久間象山直筆の書「海舟書屋」からとったものである。
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